国庫負担基準単位の算定誤り4類型、厚労省がチェック項目を公表
厚労省は令和8年度障害福祉サービス等報酬改定の資料として、国庫負担基準単位の算定誤り例とチェック項目を公表しました。資料の主な対象は市町村ですが、算定に使われる元データは事業所の請求実績です。
公表された4つの算定誤り類型とは
厚労省は令和8年度障害福祉サービス等報酬改定の別紙資料として、国庫負担基準単位の算定誤り例と、市町村向けのチェック項目を公表しました。
示された誤りの類型は主に4つです。①国庫負担基準告示の単位数を使用せずに算定していた、②申請時の数値のまま実績報告をしていた(月ごとの実利用者数を更新していない)、③4月に単位数が改定されているのに12カ月分を同じ単位数で算定していた、④区分(5)の(一)と(二)を適切に区分していなかった——の4点です。
資料は、国庫負担基準の年度が「3月から翌年2月まで」と定められている点にも注意を促しています。一般的な4月〜3月の会計年度とはずれがあり、単位数が改定される年度では改定前と改定後の単位数を必ず使い分ける必要があります。また、国庫負担基準告示の単位数は一の位が全ての区分において0となるとされており、算定後の「国庫負担基準単位(a)」欄の一の位が0以外になっていれば誤りのサインです。
事業所の請求データが市町村の算定に直結している
ぼくがこの資料で注目したのは、国保連合会のデータに関する記述です。資料によれば、区分(7)と区分(8)の利用者数はstyleK1.csvではなくstyleK3.csvという別のファイルに計上されており、市町村がstyleK1.csvだけを確認して「該当者なし」と誤判断するケースがあるとされています。
この計上データの大本は、事業所が国保連合会に提出する請求実績です。事業所側の請求内容の正確さが、市町村の算定精度にそのまま影響するという関係があります。
事業所が国庫負担基準を直接算定するわけではありませんが、「自分たちの請求データが市町村の算定に使われる」という流れを理解しておくことは、制度を正しく支える意識につながるとぼくは思っています。
事業所として確認しておきたい2つのポイント
この資料をもとに、事業所の実務で今確認できることは2点です。まず、月ごとの実利用者数が正確に記録・請求されているかどうかです。全月で同じ利用者数になっているケースは誤りのサインとされています。自事業所の請求データに同様のことが起きていないか確認してください。
次に、通院等介助または通院等乗降介助の算定有無が正確に区分されているかどうかです。区分(5)の(一)(通院等介助等を算定している者)と(二)(算定していない者)は、市町村の算定精度に直結する区分です。資料は「通常、通院等介助等が算定される者の方が少ない」と指摘しており、(一)の利用者数が不自然に多い場合は確認が必要です。
月ごとの請求記録、サービス区分の実態との整合——ご自身の事業所の請求データを、今一度見直してみませんか。
まとめ
今回の資料は市町村向けのチェックリストですが、算定の元データは事業所の請求実績から作られています。
正確な月別実績の記録と区分の把握は、自事業所の適正な請求を守るためであり、制度全体の運用精度を支えることにもつながります。
日々の記録と請求の積み重ねが、制度を正しく動かす土台になります。ひとつひとつ丁寧に確認していきましょう。