障害児通所支援 応急的報酬単価の請求審査、3段階フローと除外要件を整理
令和8年度報酬改定に伴い、厚生労働省は障害児通所支援における応急的報酬単価と配慮措置の請求審査手順を示しました。令和8年6月1日以降に開設した事業所は国保連の一次審査でシステムチェックを受け、市町村・指定権者が二次審査を担う3段階の仕組みです。
請求から支払いまでの3段階審査の流れ
厚生労働省が示した手順によると、審査は「事業所による請求データ送付→国保連合会による一次審査→市町村・指定権者による二次審査」の順で進みます。
一次審査では、システムチェックとして「令和8年6月1日以降に事業を開始した事業所の請求情報に、減算用のサービスコードが含まれているか」が確認されます。要件を満たしていない場合、エラー情報とあわせて二次審査側に連携されます。
二次審査を担う市町村・都道府県等の指定権者は、一次審査で「警告」が表示された請求について後述する3つの要件への該当を確認します。居住地特例のように請求事業所と支給決定主体の市町村が異なるケースでは、(居住地)市町村が指定権者に照会した上で審査を行う必要があります。
「警告」が出ても請求が認められる3つの判断基準
ぼくが実務者として特に把握しておいてほしいのが、二次審査の判断基準です。一次審査で「警告」が表示されても、以下3つのいずれかに該当すれば「請求に誤りはない」という審査結果になります。
①事業所が離島・中山間地域等にある場合(こども家庭庁長官が定める特別地域加算の対象地域に該当するか)、②自治体の公募により設置された、または自治体から経済的支援を得て設置された事業所など自治体が客観的に必要と認めて設置した場合、③「(旧)医療型児童発達支援」から「児童発達支援」へサービス種類を変更した事業所である場合です。
自分の事業所がこの3つのどれに当てはまるかを、開設経緯や種別変更の記録と照らし合わせて整理しておきましょう。警告への対応が遅れると、必要に応じて請求の再提出を求められる可能性があります。
そもそもシステムチェックの対象外となるケースを把握する
応急的報酬単価のシステムチェックには、最初から対象外となる事業所・利用者のパターンもあります。事業所単位では、体制状況一覧表の「主たる障害種別」が「重症心身障害」となっている事業所はチェック対象から除外されます。
利用者単位では、以下の加算が算定されている場合に当該利用者の請求明細がチェック対象から除外されます。
【児発・放デイ共通】医療的ケア区分による基本報酬、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算
【児発のみ】強度行動障害児支援加算、人工内耳装用児支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)
【放デイのみ】強度行動障害児支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)、人工内耳装用児支援加算
対象外の判定は事業所全体ではなく「受給者単位」で行われます。利用者ごとの加算算定状況を請求担当者が正確に把握しているかどうか、今一度確認しておく必要があります。
今から動いておきたい実務の確認ポイント
令和8年6月1日以降に開設した事業所、または旧医療型児童発達支援から種別変更した事業所は、今後の請求で警告が表示されるケースを想定した準備が必要です。自分の事業所の状況を請求担当者と整理できていますか?
具体的には、①3つの「警告が出ても認められるケース」への該当有無、②体制状況一覧表の主たる障害種別の登録内容、③算定している加算の種別と対象利用者の一覧、この3点を請求前に指定権者と共有しておくのが最低限の備えです。
応急的報酬単価の制度全体の詳細は、厚生労働省が示す関連通知の原文でご確認ください。不明点は指定権者(都道府県・市町村)または国保連合会に早めに問い合わせるのが確実です。
まとめ
障害児通所支援の応急的報酬単価審査は、事業所・国保連・市町村の3段階で進みます。令和8年6月1日以降に開設した事業所は、減算用サービスコードの有無が一次審査でチェックされ、警告が出た場合は指定権者が二次審査を行います。
「警告=請求誤り」ではありません。3つの除外ケースと重症心身障害・特定加算による対象外要件を正確に理解することが、スムーズな請求への近道です。
制度の手続きは複雑に見えても、ポイントを押さえれば落ち着いて対応できます。不明点は早めに指定権者や国保連に確認して、安心して請求に臨みましょう。