就労B型の報酬区分見直し対象ケース、Q&A VOL.2で判断基準が明確化
こども家庭庁は令和8年7月13日、「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.2」を公表しました。就労継続支援B型の基本報酬区分の見直しをめぐる3つの具体的なケースで、対象・対象外の判断基準が示されています。
Q&A VOL.2が扱う2つのテーマ
今回のQ&A VOL.2では、①多機能型事業所の事業分離と応急的な報酬単価の特例、②就労継続支援B型の基本報酬区分の基準の見直し、の2テーマが取り上げられています。
多機能型の分離に関する問1については、分離後の新規指定日が令和8年6月1日以降となる場合に応急的な報酬単価の特例が適用されるかという問いに対し、「新設分割に該当する場合はQ&A VOL.1(令和8年3月31日)問12のとおり」と回答されています。具体的な取扱いはVOL.1の該当箇所で確認する必要があります。
就労継続支援B型の報酬区分の見直しについては、問2・問3・問4の3ケースで「見直しの対象となるか否か」の判断基準が示されました。
B型報酬区分の見直し対象・対象外:3ケースの答え
問2は、合併等による実績の通算を行い新規指定を受けた事業所の取扱いです。令和5年度以降に指定を受けた事業所は原則として見直しの対象となります。ただし、実績通算の前後で事業所の区分が「令和5年度から令和6年度にかけて変わらない又は下がっている」場合は、見直しの対象外として差し支えないとされています。
問3は、令和6年3月時点で平均工賃月額によらない区分(当時のサービス費(Ⅲ)(Ⅳ))を算定していた事業所が、令和6年4月から平均工賃月額による区分(サービス費(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ))へ変更したケースです。令和6年度以降に新規開設した事業所と同様の取扱いとなり、見直しの対象となると明示されています。
問4は、令和5年度以前に指定を受けた事業所が、本来4月中に行うべき基本報酬区分の届出を失念し、5月以降に提出した結果、区分が令和6年3月時点より上がっていたケースです。届出は4月中に行うものとされているため、この場合も見直しの対象となるとされています。
「届出の失念」が報酬区分の扱いに直結するという重さ
ぼくが特に注目したのは問4の「届出失念」のケースです。令和5年度以前から継続している事業所は原則として見直しの対象外のはずが、4月の届出を失念して5月以降に提出し区分が上がっていた場合は対象となる。この判断はシビアですが、行政としては整合性のある対応だとも思っています。
定期的な届出の期限管理を、担当者任せにしていませんか。今回の明確化を機に、チェック体制を見直してみることをおすすめします。手続き上のミスが報酬区分の扱いに直結するという事実は、運営管理の甘さが思わぬところに出てくることをあらためて示しています。
問3のケース(令和6年4月に区分を変更した事業所)についても、自事業所の経緯を整理しておく価値があります。区分変更の時期や背景によって、見直し対象か否かの判断が変わってきます。
今すぐ確認してほしい3つのポイント
ぼくが事業所に確認してほしいのは次の3点です。①自事業所の指定日が令和5年度以降かどうか。②合併・分割・実績通算の経緯がある場合、その前後の区分の変化がどうだったか。③令和6年4月の基本報酬区分の届出を期限内(4月中)に行ったかどうか。
これらのいずれかに当てはまる事業所は、今回のQ&A VOL.2を手元に置きながら、都道府県や自治体の担当窓口で個別に確認することをおすすめします。また、多機能型事業所の分離を検討している場合は、Q1で参照されているVOL.1(令和8年3月31日)問12の内容も合わせて押さえておく必要があります。
まとめ
令和8年7月13日公表のQ&A VOL.2では、就労継続支援B型の基本報酬区分の見直しについて、合併・区分変更・届出失念の3ケースで具体的な判断基準が示されました。
「自分の事業所は対象外のはず」という思い込みは危険です。指定日・区分変更・届出の時期に心当たりがある事業所は、今一度、自治体窓口で確認しておきましょう。
制度の読み解きは手間に感じるかもしれませんが、報酬に直結する話です。今のうちに整理しておくことが、安定した事業運営の土台になります。