令和8年度改定:処遇改善加算に新区分、就労移行支援体制加算も要件見直し
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令和8年3月31日付けのこども家庭庁・厚生労働省告示第5号により、障害福祉サービス等の報酬算定基準が改正されました。処遇改善加算の区分再編と、就労移行支援体制加算における「就労定着者」要件の見直しが主な内容です。
処遇改善加算の体系が再編——区分新設と乗率の変更
福祉・介護職員等処遇改善加算について、加算(I)と加算(II)にそれぞれ「イ」「ロ」の区分が新設されました。対象は居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護など複数のサービスです。
居宅介護を例にとると、改正後の区分と乗率は次のとおりです。加算(I)イが1000分の446、加算(I)ロが1000分の456、加算(II)イが1000分の431、加算(II)ロが1000分の441、加算(III)が1000分の376、加算(IV)が1000分の302です。乗率はサービス種別によって異なります(例:重度訪問介護の加算(I)イは1000分の372)。
改正前の乗率は、加算(I)が1000分の417、加算(II)が1000分の402、加算(III)が1000分の347、加算(IV)が1000分の273でした。令和7年3月31日までの経過措置だった加算(V)は、今回の改正で正式に削除されています。
就労移行支援体制加算——「就労定着者」の判定範囲と上限が変わった
生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労継続支援A型・B型において、就労移行支援体制加算の「就労定着者」に関する要件が変更されました。
改正前は、過去3年間に「当該指定事業所」において就労移行支援体制加算が算定された者については、都道府県知事または市町村長が適当と認める場合のみ就労定着者として算入できるとされていました。改正後は、「指定事業所等その他の事業所において」(他の事業所での算定履歴も含む)算定された者については、市町村長が適当と認める者に限るとなりました。
また、加算に用いる就労定着者の数に上限が追加されました。就労定着者の数は「当該年度の前年度の9月30日時点における当該事業所等の定員数を上限とする」と規定されています。
この改正が現場の算定にどう効いてくるか
ぼくが最も注目しているのは、就労移行支援体制加算における「他事業所での算定履歴」の確認です。これまでは自事業所内の履歴だけ把握していれば足りたのが、他の事業所での履歴まで確認しなければならなくなりました。利用者が転所してきた場合、前の事業所でこの加算が算定されていたかどうかが就労定着者の算入可否に関わってきます。
処遇改善加算の(I)イと(I)ロの区分分けについては、告示の本文中に条件が明示されておらず、別途定められる基準を参照する必要があります。どの区分が自事業所に適用されるかは確認が必要ですが、乗率が変わっている以上、算定額の試算は必ず行ってください。
就労定着者数の上限(前年度9月30日時点の定員数)は今回の改正で新たに加わったルールです。就労実績の多い事業所では、この上限が実際の算定額に影響する可能性があります。手元の定員数と就労定着者リストをあわせて確認しておきましょう。
今からできる実務上の確認ポイント
処遇改善加算を算定している事業所は、自事業所が新設された「イ・ロ」のどちらの区分に当たるかを確認し、届出の内容に反映させてください。区分の判定基準は別に定める基準によりますが、乗率の違いが算定額に直接影響します。
就労移行支援体制加算を算定している事業所では、就労定着者のリストを2点で見直してください。①過去3年間に他の事業所でも同加算が算定されていないか。②就労定着者の数が前年度9月30日時点の定員数を超えていないか。この2点を確認した上で届出の内容を整理しましょう。
認定権限が市町村長に統一されたことで、手続き先が変わるケースも出てきます。皆さんの事業所では、市町村の担当窓口への確認はもう済んでいますか?早めに連絡しておくことをお勧めします。
まとめ
今回の改正は、処遇改善加算の区分再編と就労移行支援体制加算の要件変更という2点が柱です。どちらも算定額に直結する変更ですので、早めの確認と準備が大切です。
変更点が多く感じるかもしれませんが、ひとつずつ整理していけば必ず対応できます。自治体の窓口や同業者と情報を共有しながら、一緒に着実に前に進んでいきましょう。